前職の輸送機器部品メーカーでは、電磁界解析、熱流体解析や回路シミュレーション、制御シミュレーションなどのCAEツールを利用して行うモーター開発支援業務を担っていました。特に電磁界解析ソフトの国内No. 1製品「JMAG」を利用したモーターのシミュレーションに携わっておりました。しかし、業務は他社製品の後追い開発と不具合対策に終始し、数年先に標準となるような製品の先行開発を伴うものではありませんでした。そのため、CAEを有効活用した、より高性能なモーターを追求する先駆的な開発への支援を担うことはほとんどありませんでした。また、原理原則となる物理に触れつつ、自分自身の電磁界解析技術自体を深化させる取り組みにも携わりたいと考えていましたが、そうした機会も皆無でした。
社外に目を向けると、自動車の電動化・自動運転化を中心に、電動化ビジネスは急拡大している。キャリアと年齢を考慮して、最先端の電気機器設計をシミュレーションベース開発で支えることにチャレンジするのは今しかないと判断し、電磁界CAE開発の先頭集団の一員でありJMAGの開発元でもあるJSOLへの転職を決めたのです。
入社後はJMAGの解析事例や解説書の作成、セミナー講師を担うドキュメントチームに配属後、技術営業チームに移動しプリセールスを担当。現在は、JMAGの営業活動の中で顧客の開発力強化となる提案活動を担っています。JMAGを導入済/導入予定の顧客ユーザーの開発業務に深く関与し、顧客の開発フローの大幅な改善まで踏み込みます。そうした活動を通して顧客の電気機器開発の推進を支えているのです。
提案先となっているクライアントは世界的な自動車の完成車メーカーや自動車部品メーカー、大手電気機器メーカー、大手電気部品メーカーなど錚々たる顔ぶれです。同僚の中には学会発表をしたり論文を執筆したりしている社員もいます。
そうした私を取り巻くお客様やパートナーに共通して言えるのは、最新の電磁界解析技術を活用して次の次の世代の高性能な電気機器の実現を引き寄せようとしていることです。言わば、この分野のトップランナーたち。その一員として、私も刺激の多い毎日を送っています。
転職以前は、CAEのエンジニアの視点からJSOLには2つのイメージを持っていました。金融システムに強い日本総研と国内最大手SIerであるNTTデータが親会社であるという点から、組織のしっかりした会社というのが一つ。もう一つが、国内トップシェアのJMAGを生み出す開発力を持った技術力の高いソフトウェアメーカーの顔です。また、JSOLにはJMAGを開発するにあたり、製品企画部門や営業部門の確かなマーケティングで市場を開拓し、技術と営業が一体となって顧客の開発力を強化する製品設計を行い、実コーディングからアフターフォローまで行える企業体力と、様々なフェーズを担う豊富な人財が存在していると感じていました。入社後に社内の人脈が一気に広がってからは、技術論はもちろん仕事に関係のない趣味のことまで、話の面白い人がとても多いことに気付きました。